日本沈没('06)
ほんと楽しみにしていました。
樋口真嗣はどんな『日本沈没』を見せてくれるのか。
1800円でチケット購入、ダイエットペプシ買ってワクワクしましたよ・・・
なのに・・・
日本沈没('06製作委員会)
監督:樋口真嗣
出演:草彅剛/柴咲コウ/豊川悦司/大地真央/及川光博/吉田日出子
/柄本明/國村隼/石坂浩二/福田麻由子/加藤武/遠藤憲一/長山藍子
劇場:UM田 ナビオTOHOプレックス シアター2
評価:★★
小松左京の傑作SF小説を「ローレライ」の樋口真嗣監督が映画化。日本列島の沈没という未曾有の危機を迎えパニックに陥る日本国民の姿とその中で出会った一組の男女の運命の行方を描く。主演は「黄泉がえり」の草彅剛と「世界の中心で、愛をさけぶ」の柴咲コウ。
ある深海調査に参加した潜水艇《わだつみ6500》のパイロット・小野寺俊夫(草彅剛)は、そこで驚愕の事実を知る。海底プレートの急速な沈降で、日本列島が1年後に沈没するというのだ。調査を指揮した地球科学の田所博士(豊川悦司)は日本の危機を訴えるが、学会は全く耳を貸そうとしなかった。しかし、内閣総理大臣・山本尚之(石坂浩二)は事態を重く受け止め、危機管理担当大臣を置き、日本人の避難先確保に動き出す。時を待たず、地殻変動の波が日本列島を次々と襲い、犠牲者が増大する。そんな中、小野寺は、ハイパーレスキュー隊員の阿部玲子(柴咲コウ)と出会う。
(allcinemaONLINE解説より)
・・・何なんですかコレ。しょ〜もない!!
まだ未見の人、期待している人、ごめんなさい。辛辣な感想になります。
周りからの酷評をなるべく耳に入れないようにして俺はほんっとに楽しみにしてたんです・・・。それがどうしてこんな映画になったのか。
監督、脚本、音楽、そして役者、全てがダメだったからでしょう。
別に旧作の重々しいテーマを軽くし、ラブストーリーに変更したのは文句ないんですよ。全然、いやほんとに。だってそりゃぁ製作サイドだって儲からなくちゃ話にならないんだから、現代風に女性に受ける要素を強くしたいのは当然のことです。
だけど、これはあくまで『日本沈没』。沈没する事に対する不安や恐怖をきちんと描いていないとラブストーリーも際立ってこない。
それが、劇中の画面から恐怖や不安が全く伝わってこないのはどうして?
致命的ですよコレ!!
もっとマシな脚本書いてくれよっつーの。まともな演出してくれよ。情けない。
樋口真嗣監督作『ローレライ』('05)は凄く見たかったのにまだ見ていません。だけどあまりいい評判聞かない理由がなんとなく分かってきました。とにかく演出がひど過ぎる。ドラマ部分の撮り方も。この映画見てわかったのは「樋口真嗣にはドラマは撮れない。無理」ってこと。悪いけど今後は特撮監督だけやったほうがいいと思う。一作だけ見てそこまで言いたくなるほどのものだったということです。
あの素晴らしい平成『ガメラ』三部作('95〜'99)があったからここまで過度の期待をするようになったと思うけど、『ガメラ』は特撮だけが極端に注目された中(実際素晴しかったです)、やはり金子修介監督の力量、演出力が大きかったことを改めて痛感しました。
しかし不思議です。鑑賞後「何なんだよまったく・・・」って思いながらも家に帰ってパンフレット読んでいたら、樋口真嗣監督に対するインタビューがあって、「旧作のあの設定を、何故変更したのか」、「あのシーンを何故、今回のように変更したのか」等々と言った質問に対する答えをきちんと答えているわけです。しかもそのほとんどがまあまあ納得がいくもので、俺自身も「アレ? さっき見たのって面白かったっけ?」と錯覚してしまいそうなほどでした。
なのに何故、実際見るとあそこまでつまらなかったのだろう?
しつこいようですが、やっぱり監督にドラマを撮る力量がなかったからだろうと思います。
それにしても他も相当ヒドイ・・・
まず役者。
何なんだよ草彅剛は・・・終止ポケ〜っとした表情、演技もヘッタクソ。役の作り込み、リサーチなんか絶対やっていないでしょう。セリフにしても棒読みでこそないけれど、二度、変なイントネーションでしゃべったシーンがあったのに、監督もあんなんでOKすんなよ。遠慮してんのかよ。終止平淡な顔でしゃべって、それが演技かよ。とにかくセリフから表情から全部グダグダ。あれが演技だとしてもこっちにはな〜んにも伝わってこねーよ。こんな大作の主役まかされてんだから、真面目に取り組めよ、アホ!
これに関してはキャスティングした製作サイドも悪いや。何でもかんでもジャニーズって・・・アホか!
田所博士を演じたトヨエツもダメ。棒読みはいつものことだけど、CMで流れていた「日本は一気加勢に沈んで行くんだ!」のセリフに至るシーンでの政治家や学者とのやりとりは周りの役者のせいもあってか見ていて寒いだけ。比べる気はないんだけど、旧作での田所博士(小林桂樹)の同様のシーンでの迫力は、迫り来る恐怖を表わせていましたよ。まあ、最初から最後までダメだった草彅に比べれば、所々よかったシーンもあっただけマシですけどね。
吉田日出子なんかどんな作品に出ても同じおばちゃん役だし。ああいう役ができるの吉田日出子しかいねーのか。「またか」って思いましたよ。更に他の役者も・・・もういいです。言い出すときりがない。ちなみに柴咲コウはさすがに良かったです。全然好きじゃないけどいい女優さんですよ。周りのグダグダな演技や演出の中、一人だけまともなせいで浮いてました。小野寺のもとに大型バイクでかけつけるシーンは・・・でしたけど。あと及川光博も良かったかな。
そういや名女優の長山藍子は、陳腐なドラマで熱演して完全に浮いてました。
期待していた特撮も予告編以上のことはなかったし・・・あんなもんかよ。『ガメラ3 邪心<イリス>覚醒』('99)から何も進歩してない。予算なんか『ガメラ3』よりあっただろうに。ぶつ切りで北海道や九州等の崩壊シーン見せるか、あとは遥か上空から見た溶岩で赤くなった日本列島を見せるだけ。予告編で遠めからの六本木ヒルズ崩壊シーンを見て「あの後どうなるんだろう」って期待してたら、アレだけ・・・しょーもない。
音楽も最悪です。終止フニャフニャして腑抜けた音楽聞かされて・・・ほんとに今から日本が沈没するのかよ!ってくらい緊張感がない。あと、妙に無音のシーンが多かったのですが、それはその後の「ゴゴゴゴ・・・」っていう地震の効果音なんかが際立っていいと思うのですが、シ〜ンとした場面の度に『ゲド戦記』の「こ〜こーろーをなーにーにーたーとーえーよーほっ」っていう例のうっとおしい曲がロビーから僅かに漏れてきて・・・これは劇場が悪いと思うけど、マインドコントロールする気かよ!って思いました。実際今も頭の中であの曲がグルグルと・・・早く消えてくれー!
<若干ネタバレあり>
とにかく! これから日本が沈没するっていう超恐ろしいことが起こる緊張感がまるで伝わってこないんですよ。
小野寺(草彅)の最期にしたって、この前の『ポセイドン』のカート・ラッセル同様、ここにも『アルマゲドン』のブルース・ウィリスがいたよって感じで・・・
あんな陳腐なもんで感動するかアホ!!
まぁ、それでも★★の評価をしたのは、見るまでワクワクさせてもらった事に★一つ。特撮に★一つ。特撮シーンのダイジェストだったらもう一回見てもいいかなって思います。
そう言えば、これだけ酷評しながらも良かった点もありました。
まずSunMin thanX Kubotaが歌う主題歌。きちっとしたストーリーと演出があったらこの曲でグワ〜ッときたと思います。あとパンフレットの値段。ページ数、内容からこれで600円は安いです。この2点は良かったと思います。
あと、『ガンダム』の富野由悠季がどこに出てるのか楽しみにしていたんですが、あれは納得のハマリ役。ちなみに前田愛が出ていたのをパンフレットで知りました。そして丹波哲郎の出演。写真のみの出演ですが嬉しかったです。その丹波哲郎が旧作で演じた山本総理を今回演じた石坂浩二。山本総理は旧作とは一転どうでもいい役であっさり死んでしまいますが、石坂浩二と言えばリメイク版『犬神家の一族』(監督:市川崑)は超楽しみです。
以上、俺がこれだけ酷評しても興行収入はそこそこの数字出すだろうし、樋口監督もまたこんな大作を撮る機会があるかもれない。それまでに特撮以外をもう少し勉強して今度は凄い映画を作って欲しい。とにかく! 日本でもこういう大作映画をどんどん作って欲しいし、期待してるんですよこっちは。あ、その前に『ローレライ』見ないとな。月末にスカパーで放送があるのでそん時に見ます。
最後に、映画終了後ロビーで聞こえてきた若い男女の会話を紹介します。
男:「なんかイマイチやったな」
女:「まあまあやったけど『海猿』が良過ぎたんやって」
この前の『海猿2』のことかな?・・・ハァ、情けないですね〜。
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コメント
こんばんは♪
TB&コメント、ありがとうございました!(^^)
私の方からもTBさせて頂きますね。
激辛のレビュー、読ませて頂きましたが、
私も納得の意見です(^^;
取って付けたような人間ドラマにも撃沈でしたし、
一般常識的に考えて、あり得ない行動や描写にも、
「観客をナメてる!」としか思えませんでした。
投稿: テクテク | 2006年7月23日 (日) 21時21分
TB&コメントありがとうございました。
この映画は、「あの日本沈没のリメイク」っていう思い込みが、
今回のみなさんの酷評に一役買っているような気がします。
前作や原作を知っている人には、様々な期待があったでしょうし、
噂を知っているだけでも、それなりの想像があったことでしょう。
それが実際に観てみると、「あの」出来だったわけですから
ちゃぶ台をひっくり返したくもなりますよね。
おりゃぁ(/><)/ ┫
・・・誰か、もういちどリメイクし直してくれないかなぁ?
○| ̄|_
投稿: たけい | 2006年7月24日 (月) 01時27分
らーうーさんコメント・TBありがとうございました*
私はおもしろかったですよ。でも映画の感想って人それぞれですからね*生活して経験したことにも寄りますし。
投稿: playt | 2006年7月24日 (月) 10時10分
テクテクさん & たけいさん
コメント&TBありがとうございます。
なんか俺らって少数派みたいですね。 寂しいものです。本当はこの映画見て喜んでる、満足してる人達みたいな気分を、自分も味わいたかったんですが・・・こんなんじゃ無理です。
もちろん大ヒットしてくれたほうが、今後もこのような大作が製作される可能性も増えるので、100%良い事だとは思います。矛盾しているようですけど、今のところ良い興行成績を残せそうでうれしいです。
もし再度リメイク・・・というより今回の事をなかったことにできるなら、1999年公開予定もボツになってしまった松竹版『日本沈没』復活はどうでしょう? 監督はそのまま大森一樹、特撮監督はもちろん樋口真嗣で!
投稿: らーうー | 2006年7月24日 (月) 22時11分
playtさん
コメント&TBありがとうございます。
確かにおっしゃる通りで人それぞれですよね。ただ、生活や経験もそうですが、それよりも見てきた映画の数や種類の方が影響大だと思います。数が多くなると、それだけ比べてしまう作品の数も増えますから。自然と。
と言う事で、私のブログに登場する若いカップルは良い悪いは別にして『海猿2』と比べてしまうわけです。
投稿: らーうー | 2006年7月24日 (月) 22時23分
らーうーさん、TB&コメント、どうもありがとうございました。
らーうーさんのレビューを読んで思わず笑った所があります。静かなシーンの時、ロビーから「♪こーころを何にたとえよう・・・♪」の歌が流れて来た、という所、ツボにはまりました。「日本沈没」を観ている最中に、「ゲド戦記」のテーマ曲がどこからともなく聞こえてくるなんて・・・。
最新の映像技術を駆使し、豪華キャストだったはずなのに、惜しい映画だと思いました。らーうーさんおっしゃる通り、恐怖、緊迫感、危機感などが、あまり伝わって来なかったと思いました。
投稿: とみ | 2006年7月25日 (火) 07時03分
とみさん
コメント&TBありがとうございます。
映画が面白くて、集中してたらそんなに気になることもなかったんでしょうけど『ゲド戦記』のメロディのせいで怒りも倍増でした・・・。
草彅、ジャニーズ、トヨエツ・・・色々辛辣に書きましたけど、もともとキャスティングには何も文句なかったんですよ。監督の意図しない役者だって使わなくちゃならないのは分かるし(こんな大作になるとなおさら)、製作する側の事情もあるでしょうしね。
ただ、あまりにもグダグダだったんでつい・・・怒ってしまいました。まぁ何度も言うように役者だけのせいじゃないんですけど。今回は何もかもグダグダでした。
投稿: らーうー | 2006年7月25日 (火) 22時01分
書き込み及びトラックバック有難うございました。
パンフレットでは、何故エンディングをあんな風に変えてしまったのかの理由説明が為されていたんですね。未読なので何とも言えないのですが、原作&”藤岡版”の先の見えない不安な余韻を残すエンディングが強く心に残っていましたので、今回の”或る意味”ハッピーエンドな結末には興醒めの思いが在りました。そもそも、原作の大テーマが「彷徨える民となった日本人はどうなるのか?」というもので在った筈。時代の変遷で内容を変えるのは必ずしも反対では在りませんが、不変のテーマで在るならばいじる必要が無かったのではないだろうかと思えてなりません。
草彅君、SMAPに在っては決して演技が下手な方では無いと思っていたのですが、ベテランの役者達の間に入ってしまうと下手だなあと正直思いました。表情の作り方が単調だし、仰る様に台詞回しもどうかと。
あと、山本総理と渡老人の悲壮な遣り取りが完璧に除外されていたのも残念でした。あのシーン好きだったんです。
これからも何卒宜しく御願い致します。
投稿: giants-55 | 2006年7月26日 (水) 23時45分
giants-55さん
コメント&TBありがとうございます。
あの”D3計画”の話を聞いた時の山本総理(丹波哲郎)の涙にはグッとくるものがありました。本作では山本総理と鷹森大臣(大地真央)との会話でかろうじてそのやりとりが出て来ましたが、その時はホッとしました。完全に削られるよりはマシかなって。
そしてストーリーの部分部分を変更した理由ですが、最初のプロットでは日本は沈没してしまうが、それでも最後まで・・・というシナリオだったそうで、取材段階である”物”と出会ったのをきっかけに、あのようになったそうです。また、田所博士のキャラ設定の変更理由等もインタビューで語られています。あさはかだとも感じましたが、一応は納得できるものでした。その他もろもろ、その内容からは、樋口監督がこの映画に相当な力、そして熱を入れていたことが伝わってきました。ただ演出する力がまだ追い付いていなかった・・・と、そう思いました。次からも期待したいと思います。
こちらこそどうぞ宜しくお願いします。
投稿: らーうー | 2006年7月27日 (木) 00時37分